食べただけでエネルギー消費!?

by Suzuka Niimura /日付:2020.7.1  
人事/総務/健康経営//健康管理/食事/消費/エネルギー/食事誘発性熱産生

『食事誘発性熱産生』
このワードを皆さんは聞いたことがあるでしょうか?

実はこれ、私たちが生活している上で必ず経験していることなんです。

詳しく知っておくことで、
私たちの消費エネルギーを更にアップできるかもしれません。



1.食事誘発性熱産生とは?
食事誘発性熱産生とは、
「食事をした後、安静にしていても代謝量が増大すること」をいいます。

簡単に言うと、
食事をした後に、なんだか身体が温かくなったり、
汗をかいたりすることはありませんか?
このように、食事をしたことで代謝が上がっていることを
食事誘発性熱産生といいます。
食事によって体の中に入ってきた栄養素は、体内で分解され、
消化・吸収されます。そして、エネルギー(体熱)を生み出します。

このエネルギー量は、取り入れる栄養素によって異なり、
たんぱく質のみを摂取した際は摂取エネルギーの約30%を、
糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%を消費します。

たんぱく質が最も消費エネルギーが大きいのです。
仮に、100kcalのたんぱく質を摂ると30kcal消費されます。

弊社では食事誘発性熱産生が大きいことからも、
高たんぱく質のお食事を推奨しています。(他の要素も有り)

通常の食事は、これらを組み合わせて一緒に摂取することが多いので、
その際は約10%程度の消費となります。



2.代謝の種類
代謝とは、
体の中で呼吸によって入る酸素と、
体内の糖や脂肪、たんぱく質などの有機物が反応し
エネルギー(熱)を生み出すことを言います。

つまり、代謝量が多ければ多いほど、
身体で消費がされることになります。

そんな代謝には種類が3つあります。

① 基礎代謝
臓器や脳を動かしたり、呼吸をしたり、体温を維持したり、
様々な身体のシステムが動くことによる代謝です。
寝たままの何もしない状態でも消費が進みます。
身体の表面積や筋肉量によって代謝の量は異なります。


② 身体活動性熱産生
運動や家事といった日常生活の活動による代謝です。
普段、自然と体を動かす機会が多い人ほど、消費量は増えます。


③ 食事誘導性熱産生
先ほど記載したように、
食事をした後に行われる代謝です。
食事の内容や量によって異なります。


このような3つの身体の代謝システムによって、
我々の身体は体の中にある糖や脂質などの有機物を消費し、
体に必要なエネルギーを生み出しているのです。

代謝の割合は、
60%が基礎代謝、30%が身体活動性熱産生、10%が食事誘発性熱産生
となっています。 

食事誘発性熱産生は10%と、
そんなに割合多くないように見えますが、
多くの方は、1日3回消費できる機会があります。
食事内容や方法を工夫することで、
自然と消費量を高めていくことができます。


3.食事誘発性熱産生は増やせる?
食事誘発性熱産生は、様々な方法で増やすことができます。
今回は食事面と運動面で分けてお伝えしていきます。

~食事面~
① 朝食
7時に朝食をとった場合の食事誘発性熱産生量は、
19時に夕食を取った場合の食事誘発性熱産生量の約2倍との研究結果がでています。
  (ワシントン-内分泌学会Journal of Clinical Endocrinology&Metabolismより)

朝食を摂り朝から体温を上げ、
1日の代謝を上げていきましょう。


② 咀嚼
よく噛むほどで交感神経が刺激され、
食事誘導性熱産生量が増えるといわれています。

流すように食事をしたり、柔らかいものばかり食べていたりすると
せっかくの食事誘導性熱産生量が低くなってしまいます。

よく噛むことを意識して食事をしてみましょう。



③ 食事バランス
栄養素によって食事誘発性熱産生が異なることをお伝えしましたが、
糖質や脂質ばかり食べていると、
食事誘導性熱産生量が低くなり、
食べたものを消費しにくくなります。

糖質や脂質の量を減らし、
たんぱく質の量を増やしてみることで、
食事誘発性熱産生が増えていきます。



④温かいもの
温かいものを摂取することで、体が温まり、
血行が良くなることで、代謝が上がります。


⑤カフェイン
カフェインは、食事誘発性熱産生量を高める効果があります。
コーヒーや緑茶、紅茶などに多く含まれます。

しかし、カフェインを摂取しすぎると、
利尿効果でせっかく飲んだ水がすぐ尿として排出されてしまいますので、
摂取しすぎにも注意が必要です。

欧州食品安全機関(EFSA) によると、
健康な成人で1日ブラックコーヒー4~5杯までが適量とされています。




~運動面~
① 筋肉量
筋肉量が多い方と少ない方では、
筋肉が多い方のほうが食事誘発性熱産生量は増えます。

加齢が進むと筋肉量が減ってしまうため、
食事誘発性熱産生量も減ってしまいます。

適度に運動をして筋肉量を落とさず、筋肉量を増やし、
より消費ができる体にしていきましょう。


② 軽い運動
軽い運動を20~30分すると、
食事誘発性熱産生量が増える
いわれています。

ストレッチやウォーキングなどを行うだけで効果がありますので、
日々の生活に取り入れてみてください。



(参考:厚生労働省,e-ヘルスネット「食事誘発性熱産生/DIT」
(参考:日本栄養・食料学会誌, 第63巻代3号101-106,「食事時刻の変化が若年女子の食事誘発性熱産生に及ぼす影響」,2010 年より)
(参考:倉敷平成病院だより栄養科通信vol.143「ゆっくり食べると痩せる??~DIT(食事誘発性熱産生)とは~」より)




4.まとめ
「食事誘発性熱産生」
漢字で少し長いワードですが、
皆さんも少し興味がわいてきたのではないでしょうか?

・食事したあとにポカポカするのはこれだったんだ!
・温かいものは代謝に良いと聞いたことがあったけど、理解が深まった!
このように日頃の経験の理解が深まるのは楽しいですね。

簡単に実践できることもたくさんございますので、
ぜひ明日から意識してみてください。

これからもRIZAPは、
働く皆さまの健康をサポートしていきます。

貴社従業員の皆さまに、
・こういった食事の知識をもっとつけてほしい
・正しい食生活を身に着けてほしい

などとお悩みの方は、
ぜひお気軽に下記フォームよりお問合せくださいませ。